(近日発売予定)
なぜArturiaがオーディオ・インターフェイスを作ったのか?
Arturiaといえば「ソフトシンセや革新的なハードウェア・インストゥルメントで数々の賞を受けたブランド」というイメージがあるかも知れません。でも「それだけ忠実に再現できるだけの技術があるなら、コンパクトなオーディオ・インターフェイスもできるのでは?」という声もありました。そして、できました。
サウンド
音質については誰もが真剣に捉えます。Arturiaでもそうです。プロフェッショナルなスタジオ・クオリティ、それはAudioFuse開発当初からArturiaが掲げた真言、マントラでした。数々の歴代シンセの名機をソフトウェアで忠実に再現してきたのも、同じテーマで開発していました。今度はデスクトップ、ホテルの一室、コンサート会場、どんな場所でもそこがワールドクラス・サウンドのスタジオになります。妥協は一切ありません。これを実現したのが、Arturia独自の最新テクノロジーです。
1. DiscretePRO®マイク・プリアンプ
AudioFuseの開発で最初に着手したのが、マイク・プリアンプを1から設計することでした。他社製の組み込み用プリアンプを仕入れて取り付けるということはしないと決心したのは、各コンポーネントの性能を完全に引き出したかったからです。アナログ全盛期の定番設計からヒントを得て、それを最新のディスクリート・パーツで最大限に改良したのがDiscretePRO®マイク・プリアンプです。一度聴いたら、もう戻れません。
2. タイミングは完璧に
プリアンプの重要性は決定的なものですが、その一方でアナログ信号はデジタルに変化されてコンピュータやタブレット、スマートフォンに流れていきます。デジタル化する上で普及品とハイエンド品を分けるファクターは、タイミングの正確さです。そのためArturiaでは過剰なほどに正確なリファレンス・クロックを開発し、完全に温度補償されたオシレータにより20ppmという驚異的な安定性です。その上で洗練されたクロック・リカバリー、ジッター除去システムを組み込み、あらゆる環境でどこまでもクリアなサウンドを実現しました。
3. 執念とも言えるディテールへのこだわり
オーディオ・チェインのクオリティは、分岐や接合などの信号リンクで簡単に崩れてしまうほど脆いということは、よく知られた事実です。そのためAudioFuseの開発では、完全シンメトリカル、ほぼコンデンサ・フリーの入力ステージを含み、あらゆるステージで偏執的とも言えるほどディテールにこだわりました。多くのオーディオ・インターフェイスとは異なり、マイクプリからの信号とライン入力からの信号を1つのアッテネーターに接続してしまうような妥協のある音質にはしませんでした。なぜなら、それらはそれぞれに独立したシグナル・パスだからです。音質を落とすブレイクアウト(分岐)ケーブルも使用せず、すべての接続はそれぞれ強固に接続しています。次世代A/Dコンバータの採用により、最高サンプリングレートの192kHzでは驚異的にクリアな音質を実現しました。ボリューム・ポットの1つに至るまで必要なスペックを満たすべくカスタム品を設計しました。そしてそのサウンドは?もちろん最高です。
AudioFuseなら2系統のマイクに加えて2系統のアナログ・インストゥルメント、さらにADAT端子で最大8系統のデジタル信号を接続できます。MIDIまたはUSBキーボードを接続でき、アナログ盤LPも録音可能…負け知らずの高い接続性です。
プロフェッショナルのワークフロー
直観的で自発的な行為からクリエイティビティは生まれます。そしてそれは良いワークフローを定義するということでもあります。
プロはどう作業しているのか?
AudioFuseでは、プロスタジオのサウンドだけを提供しようとは考えていません。プロのワークフローも提供したいのです。だからこそ詳細に表示可能なメーターや、ブースなど別の部屋にいるミュージシャンと会話ができるトークバック機能、外部エフェクト機器を接続できるインサート端子、A/Bモニター・スイッチなどを装備したのです。そして…
無理なく自然に使えるコントロール類
AudioFuseは、ミュージシャンが設計したミュージシャンのためのインターフェイス。テクノロジーが介在することで、せっかくのアイディアもフッと消えてしまうということを、Arturiaは深く理解しています。様々な機器のあらゆる機能が、メニューや1つしかない大きなノブで欲しい機能を選び出したり、表に出ていない機能をダブルクリックで呼び出さなければならないということ覚えたり、煩雑な操作方法を覚えることでワークフローを乱してしまう…。とまでは言いませんが、AudioFuseにはそういう隠し機能などはなく、すべての機能がパネル上に表れています。思い通りにコントロールして、思い通りに音楽を創り上げる。今すぐに。
世界とコネクト
アイディアというのは、あらゆる方法で、フォーマットで、機器から急にやってきます。どこからやってくるか分からない、どんな形でやってくるか分からない、それが結果的にどこへ行くのか分からない。でもそのすべてをキャプチャーしておきたい。それがアイディアです。それを確かなものにするのが高い接続性、AudioFuseなら何でもつながります。
1. トータル・ハードウェア・コネクティビティ
何でも接続したい。よく分かります。AudioFuseなら事実上、何でも接続できます:マイク、楽器、ターンテーブル、スタジオ用機器…何でもです。見た目の小ささを侮ってはいけません。この小さな箱にはステレオペアのフォノ・プリアンプを含むアナログ・プリアンプが4系統も入っているのです。他にもS/PDIFイン/アウト、ADATイン/アウト、ワードクロック・イン/アウト、インサート端子、MIDIイン/アウト、ミニステレオと標準ステレオ両方のヘッドフォン端子、スイッチ切替が可能なスピーカー・アウト2組分を装備しています。さらに、作業中の選択肢を余裕で確保できるUSBハブも装備。文字通りのプラグ・アンド・プレイです。
2. トータル・ソフトウェア・コンパチビリティ
コンピュータ、タブレット、スマートフォン…。接続する機器によって異なるデバイスが必要な時代は過ぎ去りました。AudioFuseは超安定、超高速ドライバーでどんなデバイスにも接続可能です:Windows、Mac OS X、iOS、Android、Linuxさえもつながります。往復レイテンシーはわずか3ms。タイミングは常にタイトです。
AudioFuseはオーディオ・インターフェイスを超えた存在。まるでプロ仕様のミキシング・コンソールをコンパクトにしたようなもの。プロ用エフェクト機器をシグナル・チェインにインサート。内蔵トークバック・マイクでブースのミュージシャンとコンタクト。A/Bモニター・スイッチで2セットのスピーカーを瞬時に切り替えて試聴。何がAudioFuseにつながるのか?何でもつながります。
クオリティ
投資するのは機材だけではありません。ミュージシャンは夢に、時間に、信頼にも投資しているのです。本当に必要なものは、どんな状況でもクリエイティブ・フローを乱さず、岩のように強固な信頼性です。AudioFuseの開発はもちろんのこと、製造に至るまでトップ・プライオリティにしているのがクオリティです。外側も内側も。AudioFuseの開発過程を記録したビデオをご覧ください
VIDEO
堅牢な造り
AudioFuseはいつでも、どこでもアイディアが湧いた瞬間に使えます。アルミ製シャシーによる堅牢な造りで、どこへでも持って行けます。すべてのセクションで一貫した高い信頼を確実にする高品位コンポーネンツ。強固にマウントされたプロ仕様ジャック/コネクターにより、接続時の安心度もプロ・クオリティ。高品質なノブ、スイッチによる高い操作感、ラグジュアリーなタッチのソフト・レザーによるハード・カバーのアクセントによる高い満足感もAudioFuseならでは。
厳しいテストによる真実
妥協のない設計、コンポーネンツはAudioFuseのクオリティを物語るほんの序章に過ぎません。生産した全数を厳しいテストにかけ、合格したものだけを梱包、出荷しています。しかも、そのテスト結果によるまさにその1台のスペックのプリントをも同梱しています。
どこでも音楽制作を
AudioFuseがあれば、世界中がスタジオです。デスクトップ、ラップトップ、タブレット、スマートフォンに接続でき、つなげたいものを何でも接続できて、しかもどこへでも持って行ける、専用電源がなくてもバスパワーで駆動。移動中の衝撃にも安心のハード・カバーも付属。
ディープ・ブラック
黒にも色を!ブラック仕上げのアルミ・ボディに映えるグリーンのボトムにオレンジのレザーによるパーフェクト・マッチがクリエイティビティをさらに刺激します。
スペース・グレイ
モダンなルックスがお好みでしたらこちらを。ダーク・グレイ仕上げのアルミ・ボディにホワイト・レザーを合わせたクリーンでアーティスティックなタッチで洗練されたムードを。
クラシック・シルバー
磨きをかけたアルミらしさの際立つボディにブラウンのレザーをマッチさせたクラシックな風合いは、まさに時代を超えたルックス。
究極のオーディオ・インターフェイス、つまり、妥協のないプロフェッショナル・サウンド、ハードな使用に耐えうる堅牢な造り、思い通りに使いこなせる分かりやすい操作性、あらゆる機器を接続でき、そしてどこででも使える機動性の高さ、これが市場からの要望でした。そこで誕生したのが、AudioFuse。これによって生まれる新しい音楽を聴ける日を心待ちにしています。
仕様
スペックのどの部分を見ても、それがあらゆる観点から妥協のないものだということが分かるはずです。Arturiaでは、時折散見されるチップセットとしての能力を記載した紛らわしいスペックを表示せず、実際にAudioFuseそのものを動作させた状態でのパフォーマンス特性をスペックとしています(AES17準拠)。スペック計測にはハイエンド機であるAudio Precision社製APX555を使用しました。また、アナログ・インプット・パスの計測は、インサート・ポイントで計測しています。
>ライン/インストゥルメント入力
・ライン入力インピーダンス:20kΩ(平衡)、10kΩ(不平衡)
・インストゥルメント入力インピーダンス:1.1MΩ(不平衡)
・インストゥルメント最大入力レベル:+10dBu
・周波数特性:20Hz〜20kHz ±0.05dB
>ライン入力(ゲイン・スイッチ:0dB)
・THD+N @ -10dBゲイン:TBA(計測中)
・ダイナミックレンジ @ -10dBゲイン、インサート出力レベル:+18dBu(127.5dB A特性)
・THD+N @ 10dBゲイン:TBA(計測中)
・ダイナミックレンジ @ 10dBゲイン、インサート出力レベル:+18dBu(115dB A特性)
・最大入力レベル:+24dBu以上
>ライン入力(ゲイン・スイッチ:+20dB)
・THD+N @ 10dBゲイン:TBA(計測中)
・ダイナミックレンジ @ 10dBゲイン、インサート出力レベル:+18dBu(106dB A特性)
・THD+N @ 30dBゲイン:TBA(計測中)
・ダイナミックレンジ @ 30dBゲイン、インサート出力レベル:+18dBu(106dB A特性)
・最大入力レベル:+8dBu
>マイク・プリアンプ
・入力インピーダンス:4kΩ
・S/N比(EIN):129dB以上(フラット)、133dB以上(A特性)
・周波数特性:20Hz〜20kHz ±0.05dB
・ゲイン・レンジ:18dB〜72dB
・THD+N(フラット):TBA(計測中)
・ダイナミックレンジ(インサート出力レベル):+18dBu(113dB A特性)
>ライン出力
・出力インピーダンス:
・最大出力レベル:+24dBu以上
・ダイナミックレンジ:118dB(A特性)
・THD+N:TBA(計測中)
>インサート
・出力インピーダンス:
・入力インピーダンス:10kΩ(不平衡)
・最大出力レベル:+18dBu
・定格入力レベル:+14dBu
主な特長
DiscreteProマイク・プリアンプ×2
RIAAフォノ・プリアンプ×2
アナログ・インプット×4:マイク/インストゥルメント/ライン(XLR/ 1/4インチTRSコンボ・ジャック×2)、フォノ/ライン(RCA、1/4インチTRS各×2)
アナログ・アウトプット×4(1/4インチTRS)
アナログ・インサート×2(1/4インチTRS)
ADATイン/アウト
ワードクロック・イン/アウト
MIDIイン/アウト
24ビット次世代AD/DAコンバータ(最高192kHz)
アナログ・ソフト・クリッピング機能
トークバック機能(マイク内蔵)
A/Bスピーカー切替スイッチ
ダイレクト・モニタリング機能
マスターとモニター・ミックス・チャンネルを分離可能
USBインターフェイス(PC、Mac、iOS、Android、Linuxに対応)
USBハブ(3ポート)
3種類のカラー(クラシック・シルバー、スペース・グレイ、ディープ・ブラック)
アルミ製シャシー、レザー・カバリング付きハードトップ・カバー
DiscretePRO®テクノロジーを採用